写真と動画のバックアップ:外付け SSD・NAS・クラウドの使い分け【2026年版】
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外付け HDD を買って、写真をコピーした。 これでバックアップは取れている、と思っていた。
ところがその HDD が机の上、PC の隣に置いてあるなら、守れているのは「PC が壊れる」場合だけだ。 火災や水漏れ、盗難、あるいは操作ミスによる誤削除がバックアップ側にも同期されてしまう場合には、二つとも同時に失われる。
バックアップの世界には 3-2-1 ルールという言い方がある。データは 3 つ持ち、2 種類の媒体に置き、うち 1 つは離れた場所に置く、という考え方だ。 このうち多くの人が抜けているのは、最後の「離れた場所」である。
バックアップの手段を選ぶ 3 つの基準
1. 何から守りたいのか
守る対象によって、正しい手段が変わる。
- 機器の故障:外付け SSD / HDD で足りる
- 火災・水害・盗難:同じ家の中にある媒体では守れない。クラウドか、別の場所に置いた媒体が要る
- 誤削除・ランサムウェア:同期型のクラウド(常に同じ状態にするもの)では守れないことがある。世代を遡れるバックアップが必要になる
「バックアップを取る」と一言でまとめると、この三つがごちゃ混ぜになる。 自分が一番怖いのはどれかを決めてから手段を選んだほうがいい。
2. 容量の増え方 — 写真より動画が効く
写真だけなら年に数十 GB で収まることが多い。 一方、スマホの 4K 動画を残し始めると、一気に桁が変わる。数年で数 TB に届く。
将来の容量の増え方を見誤ると、1〜2 年で買い直しになる。 今の使用量の 3 倍を目安に選んでおくと、買い替えの周期を伸ばせる。
3. 復元する手順を、買う前に想像しておく
バックアップは取るより戻すほうが難しい。 NAS を組んだものの、故障時にどう復元するかを調べていなかったために、結局データを取り出せなかったという話は起きる。
復元手順が自分に扱えるかを、購入前に一度確認しておく。 手順が複雑すぎると感じるなら、クラウドのように運用を任せられる手段のほうが結果的に安全になる。
おすすめと実際の評判
ポータブル外付け SSD(1〜2TB)
USB でつなぐ小型の SSD。HDD より衝撃に強く、読み書きが速い。
利用者の評判:
- 高評価:取り回しが軽く、書き込みが速い点が評価されている。動画編集の作業用ドライブとしてそのまま使えるという声も多い。持ち運んで別の場所に保管する運用がしやすい
- 不満点:同容量の HDD より単価が高い。小型ゆえに紛失しやすいという指摘がある。長期間通電せずに放置した場合のデータ保持については、HDD と異なる特性があるため、保管したまま数年放置する用途には向かないという声もある
Synology NAS(2 ベイ)
家庭内ネットワークに置くファイルサーバー。HDD を 2 台入れて冗長構成にでき、スマホや PC から自動でバックアップできる。
利用者の評判:
- 高評価:家族全員のスマホと PC を、自動で一箇所に集められる点が最大の評価点になっている。写真の自動アップロードや、外出先からのアクセスまで一台で完結するという声が多い。管理画面が分かりやすいという評価もある
- 不満点:本体と HDD を別に買うため初期費用が高い。設置には常時通電とネットワークの知識がいくらか要り、設定でつまずいたという声は少なくない。同じ家の中にある以上、火災・盗難には対応できない点は変わらない
NAS 用 HDD(NAS 向けモデル)
NAS に入れる前提で設計された HDD。常時稼働と振動を想定した仕様になっている。
利用者の評判:
- 高評価:24 時間稼働を前提にした設計で、デスクトップ向け HDD より安心して使えるという評価が多い。複数台をまとめて買う前提の製品なので、同一モデルで揃えやすいという声もある
- 不満点:通常のデスクトップ向け HDD より単価が高い。動作音と発熱があるため、寝室に置くと気になるという指摘がある。どのモデルも故障はいずれ起きるため、冗長構成にしていても定期的な状態確認は必要になる
項目別総合評価
| 評価軸 | 外付け SSD | NAS | クラウド |
|---|---|---|---|
| 初期費用の安さ | ○ | △ | ◎ |
| 大容量への拡張性 | △ | ◎ | ○ |
| 火災・盗難への耐性 | △(持ち出せば○) | × | ◎ |
| 自動化のしやすさ | △ | ◎ | ◎ |
| 復元の手軽さ | ◎ | ○ | ○ |
| 運用に必要な知識 | 少ない | 多い | 少ない |
総合判断
- 写真数百 GB を、とりあえず守りたい:外付け SSD 1 台 + クラウド。合計費用が最も小さく、3-2-1 の形になる
- 家族全員のデータを自動で集めたい:NAS。ただしこれだけでは「離れた場所」の条件を満たさないので、重要なフォルダはクラウドにも置く
- 動画を大量に扱う:NAS + NAS 用 HDD。容量あたりの単価がクラウドより有利になる分岐点が、TB 単位で見えてくる
- 誤削除やランサムウェアが怖い:同期ではなく、世代を遡れるバックアップを選ぶ。同期型のクラウドは、消した操作もそのまま反映されることがある
外付けドライブを机の上に置いただけの状態は、故障には効くが災害には効かない。 同じ部屋に 2 つ置いても、それは 1 箇所である。
買う前のチェックリスト
- 一番守りたいのは故障か、災害か、誤削除かを決めたか
- 現在の使用量の 3 倍を目安に容量を選んだか
- 「離れた場所」の 1 つを、クラウドか持ち出し用の媒体で確保したか
- 復元の手順を一度読んで、自分に扱えると判断したか
- NAS を選ぶなら、常時通電できる設置場所と動作音を許容できるか